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竹韻精舎薬王山龍王寺は総本山金峯山寺の末寺として札幌市にある寺院です。祈祷、供養、法話を行っています。

TEL 011-764-2328

〒001-0931 札幌市北区新川西1条6丁目2-17

今月の法話RECRUIT

令和3年度 今月の法話


7月の法話 「百丈壊海禅師に学ぶ」


百丈壊海禅師に学ぶ

本日は暑い中、ご参拝頂きまして誠に有難う御座います。
 
少子化が進み労働力不足が深刻化する中で、企業は退職後も再雇用して同じ職場で働ける環境を作るようになって来ました。再雇用の期間も65歳から更に延びて70歳までとする動きも出て来ています。こうなりますと退職するタイミングを自覚する事が大切になります。その判断基準になるのが「停」です。今では「定年」と表現しますが、昔は「停年」と言っていました。
 
私が高校を卒業して電電公社に入社した当時は55歳が定年とされていましたが、実際にはその年以上の人が幾らでも働いていました。「停」にはとどこおるとか動かない等の意味が有り、当時は歳に関係なく自分にあてがわれた仕事が滞るようになった時、自ら申告して退職すれば良かったのです。当時と比較しますと定年は10年延びましたが、平均寿命も延びたのですから動ける間は歳に関係なく働き続け、若い人達への負担を軽減する努力を致しましょう。
 
中国は唐の時代に自給自足の生活を送っていた百丈壊海禅師は高齢になった師僧の体調を心配した弟子達が農道具を隠してしまったため、作務を諦めましたが、その日は食事も取らなかったと言います。これが有名な「一日作さざれば一日食らわず」なのです。徒食を嫌い地位や年齢を意識する事無く、常に先頭に立って作務に励んだ百丈壊海禅師こそ、立派な高僧と言えるのではないでしょうか。
 
原始経典とされる法句経には「頭髪が白くなったから長老なのではない。ただ歳を取っただけならば愚かな老人と言われる。真実に従い、徳あり、殺生せず、慎みあり、自ら制し、汚れを除いた賢い人が長老と呼ばれる」と有ります。
 
これから始まります皆様方の新しいひと月が長老と呼ばれるにふさわしい日々となりますようご祈念申し上げます。

本日はご参拝、誠に有難う御座いました。

令和3年7月 竹韻精舎 薬王山龍王寺





6月の法話 「法の相続者となって」


法の相続者となって

本日はお忙しい中、ご参拝頂きまして誠に有難う御座います。
 
阿含経にはお釈迦様が「比丘達よ、汝らは私の法の相続者となり、財の相続者になってはならない」と説いたと有ります。法とはお釈迦様の教えであり、法を守り伝える者になりなさいと弟子達に教えているのです。これを受けて長老の舎利弗は若い修行僧に対し、法の相続者となる為の具体的な方法として八正道を実践して浄き眼を開き、真の智慧を得て涅槃に至る事だと補足しています。お釈迦様は八正道を実践する為には堅固な信心と飽くなき精進が必要だとして、怠る事無く勤め励む不放逸が最も大切だと説いています。そして、悟りを開いて涅槃に至る為には欲望を駆り立てる色・受・想・行・識の五蘊を離れる事が大切だとしました。繋がれている犬が同じ所をグルグルと歩き回るように、愚かな凡夫は五蘊に執着し悩み苦しんでいると説き、一切のものは因縁の結ぶがままに生起し、解けるがままに消滅する現実を知りなさいと教えています。欲望を離れると言っても私利私欲の欲望を指しているのであり、自身の向上を図り世の為、人の為に尽くす努力は惜しんではならないと教えています。こうした教えを実践する事が大乗仏教で唱える「上求菩提 下化衆生」なのです。
 
お釈迦様は「大きな石を湖に投げ入れて浮かび上がれと幾ら願い祈っても、その願いや祈りを叶える事は出来ないように、生前に私利私欲に執着して悪業を重ねた者が天界に赴く道理はない」とし、現世での生き方で死後の世界が決まると教えています。お釈迦様は王子の地位を捨て、妻子と別れて修行を重ね、その中で得た貴重な悟りの極意を惜しむ事無く求めに応じ説いて聞かせたのです。
 
このように仏教の原点は実践実修に基づく自力本願の教えなのです。ですから仏教徒である為にはお経を唱えるだけでなく、その中で説かれる尊い教えを日々の生活の中で実践できるよう努力を重ねて行かなければなりません。「法句経」には「意味深き経文を幾たび口に誦すとも、身を以て行わなければ沙門とは呼ばず」と有ります。
 
これから始まります新しいひと月がお釈迦様の教えを実践できる日々となりますようお互いに支え合って精進を重ねて参りましょう。本日はご参拝誠に有難う御座いました。

令和3年6月 竹韻精舎 薬王山龍王寺





5月の法話 「晴耕雨読を目指す」


晴耕雨読を目指す

本日は貴重な連休の中、ご参拝頂きまして誠に有難う御座います。
 
変異株の出現により新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からず、関西や首都圏を中心に感染者が増え続けています。残念ながら国内での死者が遂に1万人を超えてしまいました。亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 
PCR検査やワクチン接種など感染防止に有効な手段が有るにもかかわらず活用に全力を挙げず、経済活動との両立に執着する余り、結果的に解決を先延ばしにして国中を疲弊させてしまっているように思え残念でなりません。
 
お釈迦様の教えを色濃く伝えていると言われる阿含経では「過去を追うな。未来を願うな。過去は過ぎ去ったものであり、未来は今だ至っていない。現在の状況を良く観察して明らかに見よ。そして、今なすべき事を努力してなせ」と教えています。今、人類が一丸となって取り組まなければならない事は唯一つ、新型コロナウイルスの感染拡大を解消する事ではないでしょうか。晴れた日には田畑を耕し、雨の日は家で読書にいそしむ悠々自適の生活を「晴耕雨読」と表現しますが、言い方を変えますと与えられた環境や条件に逆らう事無く、それにふさわしい生活をする事の大切さを教えてくれているように感じます。雨降りや嵐の日に外仕事をしても良い仕事は出来ませんし、能率も上がりません。そして、何より辛く苦しい仕事になってしまいます。
 
今を大切に生きるという事は時を知って行動する事でも有ります。春には春の仕事をし、秋には秋の仕事に精進する事が大切なのです。秋にどんなに良い種を蒔いても、芽を出した作物は冬になると枯れてしまい収穫する事は出来ません。人生も同じ事のように思えます。与えられた縁を大切にし、報われる努力を重ねる事によって、実り多い生涯としたいものです。
 
これから始まります皆様方の新しいひと月がコロナ禍を逆手に取って新たな生活スタイルを創出し、充実した日々となりますようご祈念申し上げます。
 
本日はご参拝、誠に有難う御座いました。

令和3年5月 竹韻精舎 薬王山龍王寺





4月の法話 「心の富を求めて」


心の富を求めて

本日はお忙しい中、ご参拝頂きまして誠に有難う御座います。

今年も早いもので4月に成りました。4月は入学や進学、入社や転勤など新たな出発の月でも有ります。そこで今日はお釈迦様が悟りを開かれて最初に説法された四諦八正道の教えについてお話させて頂きます。
 
四諦とは苦諦・集諦・滅諦・道諦の四つの真理の事です。人生は苦であるが苦諦、その苦には原因が有るが集諦、その原因を解消すると涅槃に至る事が出来るが滅諦、原因解消とは中道であり具体的には八正道の実践だとするのが道諦です。お釈迦様は私達が輪廻転生を繰り返す中で飲んだ母乳の量やその間に経験した愛する人との別れに際し流した涙の量は四つの海の海水よりも多いと説き、私達の輪廻転生がいかに永く繰り返されているかを指摘しています。そして、こうした輪廻転生はその原因を悟らない限りいつまでも繰り返され、悩みや苦しみから逃れる事は出来ないとして、解消する為には四諦について学びなさいと教えています。
 
仏教では生老病死に象徴されるように人生は苦であると説いています。そして、苦の原因を執着心や欲望だとしていますが、絶対的な苦が存在する訳では有りません。苦を生み出しているのは私達一人一人の思いであり、心の問題だと教えているのです。私達はいつまでも若くありたい。常に健康でありたい。出来れば死にたくない等と現状の自分に執着し、それが思うようにならない為、悩み苦しんで地獄の日々を送っているのです。しかし、考え方を変えると私達は非常に恵まれた中で生活させて頂いているのです。3分も空気が無くなれば私達は生きている事が出来ません。10日間も水を飲めなければ生きられないのです。でも私達は命を支えてくれている空気や水に感謝しているでしょうか。同様に自分の生活を支えてくれている社会や自然に対し感謝の気持ちを抱いているでしょうか。こうした自分を冷静に見つめ、発想を変える事で悩みや苦しみを歓びや感謝に変える事が出来ます。心を不自由にしているのは自分自身なのです。物や現象に執着すればする程、心は不自由になります。物質的な富は使えば使う程、減って行きますが、心の富は使えば使う程、増大するのです。社会生活を営む私達は世の為人の為に努めを果たす事でバランスを取り充実した日々を送る事ができるのです。
 
これから始まります皆様方の新しいひと月が心の富を求める日々となりますよう心からご祈念申し上げます。
 
本日はご参拝、誠に有難う御座いました。

令和3年4月 竹韻精舎 薬王山龍王寺





3月の法話 「八正道を目指して」


八正道を目指して

本日は雪の中、ご参拝頂きまして誠に有難う御座います。
 
今年も早いもので3月に入り、お彼岸の季節になりました。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、有難い事にコロナ禍の中にあっても、例年のように春の訪れを身近に感じられる日々となりました。
 
今日は仏教の教えの中でもお釈迦様が悟りを開かれて最初に説かれた四諦八正道の内、苦を滅して涅槃に至るための方法・手段として説かれました八正道についてお話させて頂きます。
 
八正道とは欲望を追求する快楽生活や命を削るような苦行生活など、苦楽の両極端に陥る生活を離れ、中道を守って生活する事によって悟りに至る道とされています。具体的には正見・正思・正語・正業・正命・正精進・正念・正定の八つの実践徳目の事ですが、正見とは正しい見解やものの見方を指し、仏教の教えを知る智慧です。正思は貪りや怒り・愚痴などから離れる為の思いや決意です。正語は常に愛に満ちた、慈しみに裏打ちされた思いやりのある言葉を発する事です。正業は正しい行為・行動ですが、具体的には人々を喜ばせ、世の中を明るくする行動と言えます。正命は正しい生活を営む事とされていますが、簡単に言いますと人間らしい、親らしい、先生らしい等、自分の置かれた立場にふさわしい生き方や生活を守る事ではないでしょうか。以上の正語・正業・正命は身口意(行動・言動・意志)による善行・陰徳積みの実践と言う事が出来ます。正精進は正しい努力と言われていますが、時間を無駄にせず怠る事無く常に勤め励む事です。正念は仏教の教えを忘れず、常に記憶に留めて心に念ずる事です。最後の正定はこれまでの七つの項目を実践する為に常に冷静に自分を見つめ、心を乱さず自己研鑽を重ねる事です。宗教的な言い方をしますと心身一如を求めて究極的には霊魂と肉体との調和を図る事ではないでしょうか。
 
ややもすると私達凡夫は自己中心的な生活をしがちですが、愛ひとつ取りましても「求める愛」から「与える愛」「活かす愛」「許す愛」へと高めて行きたいものです。
 
これから始まります皆様方の新しいひと月が春を迎えるにふさわしい、温かい愛に満たされた毎日になりますよう心からご祈念申し上げます。 
 
本日はご参拝、誠に有難う御座いました。

令和3年3月 竹韻精舎 薬王山龍王寺






2月の法話 「三句の法門を実践する」


三句の法門を実践する

本日は寒い中、ご参拝頂き誠に有難う御座います。
 
世界のコロナウイルス感染者が1億人を超え、人類は過去に経験した事のない試練に直面しています。一日も早い終息を願って護摩を焚かせて頂きました。
 
高度情報化社会と言われる今日、テレビやラジオで流れて来る情報と自分の日常生活に欠く事の出来ない情報とに大きな乖離が生じていると感じます。アメリカやヨーロッパで起きた情報が瞬時に報道される反面、私達の生活に深く関わる隣近所や地域で起こっている事が分らなくなっているのです。
 
情報には生きる為に必要最小限の情報や生活を豊かで潤いのあるものにする情報、更には自己を高め向上させる情報など様々なものが有ると思いますが、情報化社会の進展に伴って、情報の入手源が人から人への口伝からテレビやパソコンによるネットワークなどに変化した事により、グローバル化が飛躍的に進んだ一方で、生活に密着したローカルな情報を得る手段が途絶えてしまったように感じます。
 
コロナ禍を体験した事で私達の生活は今後、大きく変化して行くのではないでしょうか。今回のコロナ禍を通じ私達は自分の努力だけで生きていたのではなく、多くの人々に支えられ生かされていたことに気付かされました。また、当たり前と思っていた事が実は大変有難い事だったんだと気付かされました。そして、社会とその構成員の一人である自分との間に存在する支え合う関係が、バランスの取れたものだったのかどうかを自覚させられる、貴重な機会を与えられました。人類はこの貴重な体験を活かして今後、生活の質や内容を大きく変えて行く事でしょう。
 
仏教では悟りを求める菩提心を種として、生きとし生けるものに対する慈悲の心を根として育てる事により、方便としての花が咲き無常の仏果を得る事が出来ると三句の法門を説いています。コロナ禍を機に日本の仏教徒一人一人がこうした教えを実践出来れば、日本はより豊かな愛に満ちた国になれるのではないでしょうか。
 
これから始まります皆様方の新しいひと月が三句の法門を実践に移す日々となりますようご祈念申し上げます。
 
本日はご参拝、誠に有難う御座いました。

令和3年2月 竹韻精舎 薬王山龍王寺






1月の法話 「生命を守る」


生命を守る

新年明けましておめでとう御座います。

コロナの感染拡大が続いていますので、いつもの正月とは違い家族揃って新年を迎える事が出来ず、寂しい想いをされている方も多いのではないでしょうか。一日も早く自由に外出でき、以前のように平穏な生活に戻れるよう願って護摩を焚かせて頂きました。
 
日本では「10月ひと月で自殺した人がコロナの感染で亡くなった人の累計を超えた」とアメリカのCBSニュースは大きく報道しました。これまで日本の自殺者は減る傾向に有りましたが、コロナの感染により昨年7月から増加に転じ、アメリカで取り上げられた10月には例年より600人も多くなりました。しかも自殺率が低いとされて来た女性の数が全体の3割を占め、80%以上の増加を示しています。育児を担ってきた女性がコロナ禍により職場では雇い止めや失業の矢面に立たされ、家庭ではテレワークに伴うDV被害などを受けたのが主な原因と言われています。
 
仏教では殺生を禁じ不殺生戒を説いています。不殺生とは自分の命も含め、生きとし生けるものの命を守り、危害を加えないとの誓願です。それは私達の命が遠い祖先から営々と継承されて来た命であり、また、子供や孫へと引き継がれて行く命でも有るからです。
 
仏教では更に生きているのではなく、多くのものや人々によって支えられ生かされている自分を自覚する事の大切さを説いています。ややもすると私達は取り巻く自然や社会を自分の都合に合わせ利用するだけになりがちですが、自然や社会を支える為に存在している自分でもあるのです。こうした考えに基づいて生活出来れば、孤立する事無く互いに助け合って生きる事が出来るのではないでしょうか。今回のコロナ禍は私達に経済成長を最優先し、それをもって豊かさを判断しようとする事の誤りを指摘してくれました。
 
私は炭鉱の長屋で生まれ育ちましたが、給料日が近くなると隣近所の叔母さん達が互いに米や味噌・醤油などを貸し借りしているのを良く見掛けました。また、お祝い事が有って赤飯を炊いたり餅をついたりすると必ず隣近所に持参したものです。今から思うと貧しい生活でしたが、長屋には互いに支え合う肉親同様の付き合いが存在していました。
 
これから始まります皆様方の新しい一年がコロナ禍で学んだ教訓を活かし、互いに寄り添って命を守り合う日々となりますようご祈念申し上げます。
 
本日はご参拝、誠に有難う御座いました。

令和3年1月 竹韻精舎 薬王山龍王寺





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